技術者ブログ
クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」の開発者/エンジニアによるブログです。
金床“Kanatoko”をはじめとする株式会社ビットフォレストの技術チームが、“WAFを支える技術”をテーマに幅広く、不定期に更新中!

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JSONパーサにファジングしたら収拾がつかなくなりました
2021年4月15日
ファジング(Fuzzing)が便利
コンピュータにランダムに生成させたデータを入力とし、ソフトウェアの予期せぬ挙動を観測・発見する手法がファジングです。脆弱性発見の文脈で使われることが多いですが、一般的なごく普通のソフトウェア開発でも便利に使うことができます。私もこれまでに何度か、開発中の関数にファジングを行うことで、想定できていなかったバグを見つけたことがあります。
ファジングの大きな魅力の1つは、個人の想像力を超えることができる点です。開発をテスト駆動で進めているとしても、必要となるテストをすべて網羅できていない場合が多々あります。テスト駆動開発はあくまでも個人(あるいはチームメンバー)が見つけることができたテストしか実行できないので、その人の能力や想像力を超えることができません。しかしファジングであれば、人が考えもつかないようなパターンを試してくれます。もちろんファジングもブルートフォース的に全パターンを試すわけではないので、まだ抜けがある可能性はありますが、近年のコンピュータの性能の向上は著しいため、かなりの高確率で良いテストを発見してくれます。
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