技術者ブログ
クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」の開発者/エンジニアによるブログです。
金床“Kanatoko”をはじめとする株式会社ビットフォレストの技術チームが、“WAFを支える技術”をテーマに幅広く、不定期に更新中!

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WAFにおけるシグネチャの功罪
2020年6月10日
はじめに
私は「シグネチャ依存型のWAFは避けよう」という記事(以下、前記事)において、以下の内容を示しました。
- WAFの仕事の本質は「分類」である
- WAFというのは、ソフトウェアが分類を行う場面である
- ソフトウェアが分類する=AI/データサイエンス分野の技術である
- シグネチャは10年以上前の古い分類技術で性能が低く、2020年の時点で使うべきでない
上記だけ眺めれば、WAFにおいてシグネチャを使っても良い事はなさそうに見えます。しかし実際には、シグネチャ(あるいはルール)だけを使っている「シグネチャ依存型」のWAFが今もたくさん存在しています。つまり、何かしら、シグネチャが生き残っている理由があるはずです。
今回は、WAFにおけるシグネチャの利点・欠点について、より掘り下げて行きたいと思います。なお、本文内で何度か登場する「誤検知」は、「本来止めるべきでない正常な通信を、誤って攻撃と分類してしまった」というケース、つまり偽陽性の意味で使っています。
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