技術者ブログ
クラウド型WAF「Scutum(スキュータム)」の開発者/エンジニアによるブログです。
金床“Kanatoko”をはじめとする株式会社ビットフォレストの技術チームが、“WAFを支える技術”をテーマに幅広く、不定期に更新中!

さよならCSRF(?) 2017
はじめに
2017年、ついにOWASP Top 10が更新されました。筆者が一番印象的だったのは「Top 10にCSRFが入っていない」ということです。
なぜCSRFが圏外になってしまったのかは4ページのリリースノートで軽く説明されています。「retired, but not forgotten」つまり「引退したね...でも君の事は忘れてないよ」という感じでしょうか。全米がCSRFのために泣きそうです。
それはさておき、具体的には「as many frameworks include CSRF defenses, it was found in only 5% of applications.」という部分が引退理由だと思われます。「多くのフレームワークがCSRF対策を備えた結果、5%のアプリケーションにしかCSRFは見つからなかった」というのが引退の理由です。
この理由を読むと、「ということは、XXEは5%よりも多いのか?」「5%に対して”only”という表現になっているが、5%というのは少ない数値なのか?」「そもそも5%の母集団は何なのか?」など色々な疑問が湧き上がりますが、まぁOWASP Top 10というからには10個にまとめないといけないという性質上、皆が飽き気味のCSRFがスケープゴートにされたというところでしょうか。
さて、OWASP Top 10から引退してしまったとはいえ、CSRFは対策が必要な攻撃手法であり続けます。今回の記事では「2017年時点のCSRF対策」について簡単にまとめてみたいと思います。